戸田光太郎の21世紀的香港日記 2003年

2003年1月1日〜7日


2003年
1月1日(水)

おせち料理。
義母、リエ・ママ
大沢在昌の「砂の狩人」上巻を読み終わる。恒例「このミステリーがすごい」でベス
ト10入りしているので買ったのだが、相変わらずの大沢節である。
さて、今年の抱負である。
イギリスに住んでいる時の抱負はいつも「フランス語をマスターする」だったけど、
これは叶わず、棚上げとなった。今は広東語と北京官話の方がリアルだ。
広東語は秘書M嬢に日本語を教えるのと交換に頑張ろう。目標設定としては、日常会
話程度でいい。それが落ち着いたところで北京官話だろう。2003年6月まで広東
語で、それから先は北京語。
まだ香港に住んで半年だが、油断しているとあっという間に月日は経つ。
仕事の方は社内ルールをきっちり守って(これはかなりすれすれまで無視してきた)
いく一方で、スケールの大きな仕事を取りまとめていきたい。社内ルール遵守に関し
ては秘書M嬢とアシスタントK嬢の仲良しチームが非常に強力なチームとなると思う。
今年は読書したい。それも、プルーストとかドストエフスキーの未読の作品など。
そして書きかけの原稿を終えたい。

1月2日(木)

大沢在昌の「砂の狩人」下巻を読み終わる。○。これが、このミスの4位とは。最近
の大沢の水準的な作品に過ぎないと思う。確かに上下二巻を読ませるけど、僕は「蛍
雪」など佐久間公シリーズの新作とかの方が好き。多分、婦人警視正の存在にリアリ
ティーがないからだと思う。拓とか星もリアリティーないな。原というのは面白かっ
たけど、途中で主人公の西と意気投合してくると日活アクションみたいでチープだっ
た。そういうところから、何だか全体の迫力が削がれていくと思う。力作ではある
が。
親戚の家に
12時に出て
三池にある。三池炭鉱の。
一蘭は、一時間は空かないと。ラーメンで54位だったからか。
親不孝通りの屋台で食べる。ししゃも、豚。豚骨ラーメン。
いっぱい飲み屋。そして温泉。薬膳ビールを飲む。蕎麦。
タクシーで帰る。

1月3日(金)

078:00に起こしてくれた。
里心のついたリエは滞在を伸ばそうとするが駄目。
10:40のJALで。福岡航空の職員がとろい。ケアンズと同じとりえ。のんびりし
ていていい、のだとも言える。
福岡は堪能した。リエ・ママの手料理と温泉と書店と古本屋と読書の日々だった。
帰宅したのは15:30
さっそくリエは福岡に電話。無事に帰宅したことを告げた。
腹が減ったというのでサラダを買ってきてアンチョビのパスタを作り、キャンティを
飲みながら食べた。日本でビデオに録画した正月番組を見る。
眠った。
カレーを作る。

1月4日(土)

目覚めてコーヒーを作る。それを飲んでリエは出勤。
僕は大沢在昌の「砂の狩人」の前作にあたる1996年出版の「北の狩人」を福岡の
古本屋で買っておいたので10:00頃に読み始めた。「砂の狩人」より面白い。途
中でご飯を炊いてカレーを食べてコーヒーを飲む以外は延々と読んだ。8ポ2段組3
40ページを読了したのは16:30。主人公のキャラクターがこちらの方が良い。
東北から出てきた、純朴でいながら執念深い青年で、それが混沌の新宿に投げ込まれ
る。そうして起きる化学反応と、彼の視点から語られる新宿と秋田の山の対比が面白
い。次作「砂の狩人」と共通するのは新宿の刑事、佐江だけである。ただし、宮本に

リアリティーがない。どうして梶にこれほど惹かれるのか十分納得できる描写がな
い。ただし、1980年半ばの佐久間公シリーズからずっと読んでいるが、マンネリ
な部分はあるにせよ、こうした水準の読み物を量産する大沢は、やはり偉い。◎。
引き続き角川文庫で「大極宮」を読了。△。大沢、京極、宮部の三人のWEB「週間大
極宮」を纏めたもの。大沢せんせの記述だけは面白かった。

1月5日(日)

正月休みの最終日。
何事にも終わりが来るものだ。
酔っ払って読書して眠る。

1月6日(月)

二日酔いで初出社。香港も正月は特別な日ではない。皆、1月2日から出社していた
からだ。

1月7日(火)

シンガポールとTV会議。



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