戸田光太郎の2000年日記
2000年1月10日〜11日
2000年
1月10日(月)
- また地下鉄が値上がりした。ロンドンの地下鉄は世界最古で、まんま汚いし、ト
ンネルの中で突然止まるし、職員のモラルは低いし、値上げする理由が分からな
い。これからは天気が良ければメイダ・ヴェイルからオックスフォード・サーカス
まで歩こうかと思う。
今日は英人秘書サラが南仏での長期休暇から戻ってくるはずなのだが、いなかっ
た。
しばらくして彼女の母親から連絡があった。娘とは音信不通になっておりヤキモ
キしていたが、ようやく連絡が取れて、今日の午後ロンドンに戻ってくることが
判明したという。そういえば僕も日本滞在中テレビでフランスが暴風雨に教われ
ている映像を目にはしていたのだ。サラはボーイフレンドが持っている南仏の別
荘に滞在していたのだが、そこの屋根が吹き飛ばされ、電気が切れ、難民状態に
なってしまったのだという。ロマンチックなミレニアム・ディナーなども企画して
いたのだが、全てキャンセル。職人が屋根を修理するまで通信手段の限られた現
地に釘付けられたらしい。
ラッセルも休暇から戻ってきた。彼はMTVの懸賞優勝者を拾って載せながら世
界を回って1999年の12月31日にニューヨークのタイムズ・スクエアのパー
ティーに乱入する、というハードな企画の仕切りをやったのだ。パーティーと移
動の毎日に、最後は関係者全員ボロボロになったけど面白かった、とラッセルは
言っていた。ローマの次に着陸したパリでは悪天候でやはり釘付けになったとい
う。
夜はドイツから来ている「蘭学者」と、メリディアンで待ち合わせ、「与志野」で夕
食。
彼の人生は大変な局面を迎えている。僕の人生は1990年と1997/8年に
大変な局面にあったのでそれを話す。アイリッシュ・パブで飲む。次回は彼を「ス
トリング・フェローズ」に連れていくと約束する。
1月11日(火)
- 突然、英国人上司から4階の会議室に呼び出され、重大な発表を受けた。薄々予
想していたが、やはり気持ちのいいものではない。色々とカウンターの提案を出
し、会議室を出てからは対策を考えた。アクションあるのみ。
ニュージーランド人スタッフのアンディーが書いてくれた彼の信条が出てきた。
- 1)Work like you don’t need the money!
2)Love like you have never been hurt!
Most importantly...
3)Dance like no-one is watching!
- つまり、「金なんか必要ないみたいに働き、傷ついたことがないみたいに愛し、誰
にも見られていないかのように踊ること!」それこそ大切なのだと、アンディーは
イビサのコンサート特集番組の中で酔っ払って叫んでいた。ニュージーランドで
は知られたフレーズだと彼は言っている。
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