戸田光太郎の2000年日記

2000年11月11日

2000年
11月11日(土)

6時に起きる。
朝の弱いリエがぐずぐずしている。とにかく彼女が英国航空時代に使っていた
オーバーナイト小型スーツケースを転がしてタクシーを拾い、チャンギ空港へ。
8時発の中華航空で香港に着いたのは13時頃だった。
香港は単にトランジットで余り時間がなかった。
再び飛んで台北空港に着く。外は雨。元来、台北はそれほど魅力的な外観を持つ
都市ではない。それが灰色の雲に雨だから、リエの表情が暗くなった。
と、迎えの車が来ている。台湾オフィスが手配してくれたのだ。
小太りの台湾人運転手は英語が喋れなかったが、とにかく我々を運んでくれた。
台北というのは決して美しい町ではない。
ますますリエが不機嫌になった。「わたし、結婚式のパーティーなんか行かないか
らね。一人で行ってよ」
彼女が行きたくないものに不機嫌面を下げて連れていくことはできない。
一人で行くか。
台北のど真ん中の小ぶりなホテルRoyal Palace Hotel にチェックインして街を歩
く。
シンガポールと違って、人々は少々お洒落だ。
路上で売っている靴の方が店頭のものより斬新だ、とリエ。
路上を周ってリエに一足買った。
ご機嫌である。
こういう、装飾品や靴や鞄に対する女性の執着が僕には理解できない。
とにかく機嫌が回復することだけは理解できる。
また次の路上の店でもう一足買った。
またまたご機嫌である。
ホテルに引き返し、シャワーして着替えた。
彼女はロンドンで買ったマックスマーラーのベージュのドレスに淡い色のスカー
フだ。僕は黒いスーツ。
台北オフィスの美女Sの披露宴パーティー会場は西欧風で派手だった。弦楽四重奏
が来ている。洋風ビュッフェにワイン。
台北オフィスの連中は仲良しで羨ましい。
営業部長のSが新郎新婦をネタにゲームをして笑いを取っていた。
告白ゲームのようだった。中国語を隣の台湾女性Aが英訳してくれた。「今、二人
ができちゃった日を聞いたのよ。答えは、四回目のデート。場所は車の中」
どっと笑いがあった。
宴が終わってからリエと台北の街を散歩した。






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