戸田光太郎の21世紀的香港日記 2003年

2003年1月28日


2003年
1月28日(火)

リエが鍵を忘れて外出し、僕の会社に立ち寄ってスペア・キーを手渡した。そのまま
「和民」で食事。リエは天丼、僕はビビンバ丼。両方ともなかなかだった。
昼が多かったので、夜はリエがベーコンとキャベツのスープを作った。白ワインで飲
む。これは小森のおばちゃまがアラン・ドロンの好物として教わったレシピだそう
で、キャベツの葉っぱの間にベーコンを挟んで煮込むところがミソだとのこと。今
や、小森のおばちゃまもアラン・ドロンも死語である。
で、食後に「カサブランカ」のスクリプトを読んでいたら夢中になってしまった。非
常に良く書かれている。
例のボストンの私立探偵スペンサーが聞き込みに足を運んだ銀行で、広報部の女性が
「Of all the banks, in all the world, you had to walk into this one.」と言っ
た原典が見つかった。映画ではやはりボギーの台詞で「Of all the gin joints in
all the towns in all the world, she walks into mine! 世界中に酒場なんてごま
んとあるのに、よりによって、どうして俺の店に!」
銀行の女性は明らかに原典を知っていて口にしており、それにすぐ反応したスペン
サーが「We’ll always have Cambridge」と返答したのだが、そちらの原典もすぐ見
つかった。「We’ll always have Paris俺たちにはいつだってパリがあるさ」
ここまでのくだりはクライマックスだ。読み返しているだけでぞくぞくくる。
昔、モスクワで観劇していたら、隣に座った青年がアメリカの地方の新聞記者で、
「カサブランカ」の大ファンだった。彼は冒頭からラストまで台詞を諳んじていた。
当時、ベローナで知り合った中年のイタリア紳士は「カサブランカ」と「ゴッド
ファーザー」が彼の生涯のベストだと言っていた。
「カサブランカ」のファンは多い。




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