戸田光太郎の2000年日記
- 2000年2月15日
2000年
2月15日(火)
- 夜、リエとピカデリー・サーカスに出る。
いい香りのバス用品やクリームや石鹸を揃えたいという彼女に付き合って「ボ
ディー・ショップ」と「ブーツ」へ。
「ブーツ」の正面で僕が煙草を吸いながら所在なくしていると同様に所在なさげの
はだの浅黒い中年男が葉巻を取り出したので僕は火を貸した。会話する。
「どちらのお国からですか?」
「日本人です。あなたは?」
相手は、ちょっとモジモジする。知らないでしょうが、という感じで遠慮しなが
ら、「キプロス島からです」。
僕はMTVに入社して最初の社員旅行がキプロスだった。
「行きましたよ」会社のギリシア人から習ったギリシア語挨拶をすると彼は驚い
た。
「いたはや、これはこれは」
「あそこはトルコ人と紛争が絶えませんが、あなたはギリシア側からですね?」
「そうです。でも、まあ、政治的には色々あっても私はトルコ人に対して個人的に
は悪感情を抱いてはいません」
「失礼ですが、お仕事は?」
「繊維の会社を運営してます」
「それで素晴らしいお召し物を」
「いや、これは堅調だった時に買ったもので、今ギリシアの繊維業界は青息吐息で
す」
「あなたも山の神を待っているのですか?」
「いや、息子です。ロンドンで数学を学んでいるので数日間だけ会いに来たので
す。私も学生時代から何回もロンドンには来ています」
リエが出てきたので彼と挨拶して中華街の「ロイヤル・ガーデン」で夕食。スカロッ
プ(帆立貝)の蒸し焼きとフッケン・フライド・ライス(福建焼飯)とチャイニー
ズ・ブロッコリーとビール。食べきれずに持ち帰る。
就寝前に群ようこ著「唖細唖ふむふむ紀行」をあっという間に読了。△。私は速読
だが、リエはもっと早い。この本なら1時間かからないと思う。
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