戸田光太郎の21世紀日記 2001年

2001年8月17日〜23日


2001年
8月17日(金)

マニラからバンコクに飛んだ。
ほとんど時間がない。
ホテルにチェックインしてからパーティー会場に直行した。
中華系シンガポール人C嬢が到着していて仕切っていた。
それなりに盛り上がる。
メンバーで集ってタイ料理を食べに行く。
バンコクの街には象が歩いていることがある、と現地駐在の日本人が言っていた
が、
嘘か誠か、一頭にも出くわすことがなかった。
部屋で宮本輝の「草原の椅子」を読む。

8月18日(土)

起きる。宮本輝を読了。ちょっと尻切れトンボだな。
風呂に入ってロビーに降りるとシンガポール本社から出張していた中華系女性M
とインド系Kがいる。
僕は一人歩く。が、ちょっと忘れた事が気になる。
ホテルに引き返してMとKに昨日のパーティーの御礼を言った。
喜んでいた。
14:40の便でシンガポールに帰る。
チャンギ空港でリエに電話して頼まれるまま、化粧品を購入する。
8月19日(日)
リエはダイエットで元気がないのとプーケット旅行で疲れが溜まったのとで一日
ゴロゴロしていた。
僕は洗濯して掃除してバリで買った絵をようやく壁に穴をあけて掛けた。
週日も働き、週末も働く、極めて勤勉な人間であるな、俺は。自画自賛するしか
ない。
ジョニー・ウォーカーを飲み続けて寝る。

8月20日(月)

ひどい二日酔い。
どうしてこんなに飲んだのか、という何度となく繰り返した愚問を自分に投げか
ける。
同じ過ちを繰り返すのは愚者である。滅茶苦茶のグシャグシャだ。
会社で個室を取り戻した一日目。やはり、いい。自分の部屋があると気分がい
い。
明日のバンコク出張の準備をしながら定例会議などをこなす。
ダイエット中のリエから携帯に電話。会社の帰りにホーカーズ・センターでスー
プとチキン・ライスを買ってきてくれ、とのこと。体が欲しているのだ。無理な
ダイエットは休むに限る。
21時を回っていた。
スープ6ドルとチキン・ライス2ドル50セントを別々の店で「お持ち帰り」に
して帰宅。
リエはぱくぱく嬉しそうに食べた。
僕は彼女に食べさせるのが好きだ、と思う。
ペットに餌付けする人はこういう気持ちなのだろうか。
僕はペットを飼ったことがない。
寝室を掃除する。

8月21日(火)

目覚ましが鳴る6時半前に目覚めた。
コンピューターでプレゼンテーションを作り、シャワーを浴びていると落雷に豪
雨となった。
7時にロビーに降りていって迎えのメルセデツで空港へ向かう。
チャンギ国際空港に着いたところで、同じくタクシー送迎から降りてきたイタリ
ア系オーストラリア人のマーケティング部長Mに出くわす。
今回は二人での出張だ。
二人で空港内を歩きながら、彼のガールフレンドに関して質問する。
「彼女、オーストラリアに残してきた」
「男と女の間に置いてはいけないものが二つあるのを知ってるか?」と僕は何度
となく口にした言葉を彼に言った.
「気になるな。なんだよ」
「距離と時間だ」
「え?」
「男女の間にその二つを置いてはいけない」
Mは立ち止まった。
「どうした?」
「確かにそうだと思う」
僕と彼は二人でまたジャカルタ出張になるのだが、その頃オーストラリアの彼女
がシンガポール近辺まで出張で来る、という。彼女もジャカルタに一緒に連れて
行こうか、と彼は思案していた。
隣の座席に腰掛けてMと話した。
スニーカーのメーカーでマーケティングをやり、それから清涼飲料水メーカーで
マーケティングをやり、このテレビ局に移動したのだという。仕事は楽しんでい
るようだ。
18歳の時にはオーストラリアの農場で働いていた。葡萄を作っていたのだ。
その時、自分より年上の者もまじえて、人を使うことを覚えた。そうMは言っ
た。
農場では記録を書いておくことが非常に大切で、爾来、日記は以来15年間つけ
ている。
僕は自分のHPに日記を書いていることは伏せておいた。
タイの代理店の初老タイ人Cが彼の運転手付き車で迎えに来ていた。
広告代理店に連れられてミーティング。
Cはずっと教師をしていたそうだ。達者な英語を話す。
普通の大衆レストランでタイ料理を食べるが、めっぽう旨い。値段は安い。三人
で10ドル、千円ちょっとだ。
ラップトップして、ジャカルタに電話を立て続けにかけて帰途につく。
リエより先に帰宅できた。

8月22日(水)

どたばた働いてからリエが会社まで来て、タクシーで在シンガポールのオースト
ラリア・ハイ・コミッションへ。オーストラリア人アーティストの個展を見る。
白人だらけ。
タクシーを拾ってボーダーズに移動してビストロで食事する。
食後は三階のDOMEでエスプレッソ。彼女はフィルター・コーヒーとケーキを
二つ食べる。ダイエットの揺り戻しか?
帰宅後はロンバケの北川女史脚本の「LOVE STORY」をVCDで観る。
中山美穂は山口智子、トヨエツは田村正和のミスキャストだと思う。
今時こんな時代錯誤の小説化はないだろう。田村正和なら存在自体がフィクショ
ンなので観客も騙されてみる気になるのだが。

8月23日(木)

月曜日以来の個室。いい。
めちゃくちゃな忙しさである。
昼は中華系シンガポール青年Nの車で移動してNUS(シンガポール大学)の近
くのチキン・ライス屋でランチ。彼が最近、顔色が良くないので気になっていて
誘ってみたのだ。
インド人女性上司とうまくいってない、という。フランス留学を考えているそう
だ。
卒業後はコンサルタンになるのだという。
そういえば最近、出版社勤務の日本人女性Iさんが編集長の独断が嫌いでパリに
留学を決めたし、もう一人の女性編集者Iさんは会社は居心地がいいものの、ブ
ラジル留学するというし、皆、自由に動き回る考えのようだ。
明日のジャカルタ出張の準備をしながら、溜まりに溜まった出張経費を清算す
る。
出張に持参するものは増えて、すごい荷物となった。
リエが会社のビルまでやってきてタクシーを拾って帰宅する。
二人で自宅近辺のホーカーズ・センターで食事。彼女はチキン・ライスに嵌って
いて、僕も昼に食べたのに、タイガー・ビールとでチキンライスを食す。
「LOVE STORY」を観る。台詞が陳腐。設定が陳腐。ロンバケや
「ビューティフル・ライフ」を書いた脚本家とは思えない。北川センセ、スラン
プである。






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