戸田光太郎の21世紀的香港日記 2002年

2002年7月18日〜23日


2002年
7月18日(木)

早くに起きて空港に向かう。
市内からKLまでは1300リンギ以下だ。
空港で不健康なハンバーグとビールを飲む。
非常に黒いマレーシア人マネージャーが話し掛けてくる。
彼の黒いズボンはプレスがきちっとかかっているし、ブルーのシャツはピッとプレス
されている。
洗濯屋の仕事ではないと思って聞いた。「見事ですね。奥さんの手仕事?」
「いや。僕はまだ独身」
「自分でやってるんだ」
「そう」にこにこしている。「糊をきかせて、ぴちっとするわけ」
「君は恐らく結婚してもシャツは自分でやるね。そう見た」
彼は大きく破顔した。「いや、マジにそう思う」
CX便に乗って香港に着いた。
15:30には出社する。
所長秘書のSが僕の労働許可が出たと喜んでくれた。
22:00頃まで仕事しているとアシスタントの香港シャイニーズのK嬢も残ってい
て、僕の部屋に入ってきた。
「いつもこんなに遅いの?」
「早く帰ろうとは努力してるんだけど。シンガポール本社では夜10時はまだ早いか
もしれないな」
「その赤ワインは?」
「Cさんがくれたよ。飲む?」
「今ちょうどケアレスミスが許されない仕事が終わったから、飲みたい気分」
僕がコルクを抜いて赤ワインを注いだ。
僕の個室で色々な話しをして楽しかった。
スタッフと時間を作って話さないといけないな、と思った。当たり前のことだが。
K嬢が帰ってから一仕事し、タクシーを拾って香港島へ帰る。

7月19日(金)

出社してどたばた働く。
日曜日には韓国のソウルに飛び、月曜の夜にはシンガポールに飛ぶことになりそう
で、その準備で忙しい。
英国から17日に連絡のあったリエから全く音沙汰がない。
彼女の母君に電話したが、連絡はないという。
もともと英国航空のスチュワーデスだったから外国には慣れているし、英国にも住ん
でいたし、英語とペルシャ語と中国語が少々喋れるし、サバイバル能力はあるけど、
非常に美人な女性だし、おっちょこちょいの面があるから心配だ。
僕は仕事の後はスターフェリーで香港島の夜景を楽しみながら帰宅した。
久し振りにVCDでスティーブ・マックイーンの「ブリット」を見る。この映画、今
観てもクールだ。
ビールとバーボンが空になる。

7月20日(土)

ひどい二日酔い。朝8時頃に起きて、また起きると4時近くになっていた。
酔っ払って非生産的な土曜日となった。
悲しい。
インスタントの焼き蕎麦を食べる。
体に悪い。
悲しい。
夜また空腹になってソーホーの串焼き屋に行く。

7月21日(日)

二日酔いが続く中、会社に行く。
誰もいないオフィスで明日からの出張の準備。
途中、外でチャーシューご飯を食べる。
14:00過ぎにはオフィスを出てタクシーを拾い、空港エクスプレス九龍駅から空
港に向かう。
16:05発のCX便で韓国のソウルに飛ぶ。
21:30頃にソウルに着いた。
シャトル・バスでリッツ・カールトンに向かう。
チェックインして荷物を落としてから近所の店を徘徊する。
やばい感じのギャルの来る店やもっとやばい感じの床屋がある。
床屋ではマッサージとプラス・アルファーがあるらしい。
何件もある焼肉屋さんの一つに入った。
どこも、とびきり旨い。ここも旨かった。
韓国は平均値がどこに入っても非常に高い。
飲み歩いてホテルに帰った。
部屋は立派だ。今まで宿泊していたCOEXのインター・コンティのいいが、ここは
部屋に据え付けられたIBMのラップトップがあり、すぐインターネットにアクセス
できるところがいい。
バスルームも広々している。アメニティーも充実している。
これはやはり、贅沢な生活かもしれない。
シーバスとハイネケンを飲んでテレビを観ながら寝た。

7月22日(月)

起きてから部屋のIBMからインターネット交信し、携帯から連絡して仕事を進め
た。
ロンドンだろうが、シンガポールだろうが、香港だろうが、これは一緒だ。
昼前に韓国のHさんがロビーから電話してくる。
部屋を片付け、チェックアウトした。
Hさんとお茶しながら作戦を練る。
まだHさんとのコンビで契約を取れていないのが残念だ。
まず、昼食の後で、14:00に韓国の大手広告代理店Cに出向き、女性担当者と英
語でミーティング。
その後はインハウス代理店Cの重鎮とミーティング。これまた、英語だ。
あっという間に帰る時間となる。
Hさんのオフィス前のバス停車場から17:00にはシャトルバスに乗り込んでイン
チョン空港に向かう。
6時間を越えるフライトに関してはビジネスを使えるという立場にようやくなったよ
うなのでSQ便はラッフルズ扱いだった。
エコノミーとの扱いの差はどうだろう。
ビジネスの客が少ないこともあってか、スチュワーデスが入れ替わり立ち代り、「上
着をハンガーに掛けましょう」、「アメニティーをどうぞ」、「スリッパをどう
ぞ」、「アイ・パットをどうぞ」、ワイン、チーズ、サテ、シャンペン、サラダ、フ
ルーツと親切極まりなくサービスしてくる。
これだけ賑やかなサービスを受けながら、僕は昨晩も昼も濃厚な韓国料理を食べたの
で全然食欲がないのが残念だった。
夜中の一時にシンガポールに到着した。
タクシーを拾ってコンラッド・ホテルに向かう。
相変わらずの扱いで、エグゼクティブのフロアに案内される。
リエから電話がある。今友人宅に泊まっていてシンガポールにいるとのこと。

7月23日(火)

朝四時頃まで雑誌を読んでいたので眠い。
9時には出勤し、十分な準備をしてから、15:00に某社とミーティングした。非
常に実り多き会議だったので東京の担当者に携帯から電話報告した。
ホテルに寄る。リエは先にチェックインしていたようだ。彼女のヴィトンがあった。
僕はシャワーを浴びて着替えた。
リエから携帯に電話がある。
「今どこ?」と彼女。
「夕食の約束があるので部屋に立ち寄った。リエは?」
「このホテルいいね。スパでエステしてた。今、部屋に行くよ」
スパでのんびり
19:00には日系会社のシンガポール支所長と落ち合って夕食を共にした。
彼はまだ30代で背が高くてハンサム。僕と同じ大学の後輩だった。大したものであ
る。
非常に楽しかった。






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