忙しい。
昼はテイクアウトを買ってきてもらって会議室で皆で食べる。
イギリスで時々見た「Who wants to be a Millionare?」というクイズ番組が日本で
は、みのもんた司会で「クイズ・ミリオネア」となって人気があるらしいが、この
フォーマットはシンガポールでも英語の司会者ヴァージョンと中国語の司会者ヴァー
ジョンでやっていた。香港では広東語である。ここに同僚の元ミス香港のHが出演し
たので、そのビデオを見ながら食事した。
「あたし、凄く太って映ってるでしょ!」とHは大騒ぎしている。
司会者が広東語で「ボジョレー・ヌーボーはいつ解禁となるか?」と言って(だと思
う)問題が漢字の羅列で出てきたとき僕は「NOVEMBER!」と答え、その後で四択が出
てきて中に十一月が表記されて、やがて正解は十一月と出てきたので、「何で知って
るの?」皆は驚いていたが、大抵の日本人なら知っていることだ。シンガポールはま
だまだ遠いだろうが、香港にもまだワイン文化は本当には上陸していない。残りの問
題は広東語のわからない僕には無理なので自分の部屋に戻って仕事した。
夜は香港島側、世界貿易センター3階の韓国料理屋「明家」で。理恵と合流して食
事。旨い。非常に繁盛していた。不況だと言われる香港でこれだけ混んでいるという
のは凄い。
タクシーで帰宅。
インターネットで仕事する。
早朝起床でタクシーを拾い、空港特急乗車、CX便でバンコックに飛ぶ。
イベントに立ち会う。
深夜、宿泊しているリージェント・ホテルから隣のホテルの地下のバーに出て飲んで
暫くして寝た。
早朝便でバンコクから香港に戻る。
この、スター誕生アジア版みたいな企画も最終段階に来た。次は11月27日にシン
ガポールで決勝がある。
面白いが、くたくただ。
久しぶりの香港という感じ。
覚悟を決めて出社。
昼はリエがやってきて韓国料理を食べる。
夜はお粥とチャーシューとワインとフルーツというおとなしい食事。
リエと色々とお喋りをして過ごす。
明日からまた出張でシンガポールに飛ぶ。
朝6時に起きてタクシーを拾い、空港特急に乗る。
空港でチェックイン。久しぶりのSQだ。
ラウンジで白ワインとサンドイッチを摂り、飛行機に乗るとひたすら眠ろうとする。
隣のインド系の人と話す。この飛行機はサンフランシスコから香港経由でシンガポー
ルに行く便だったようだが、サンフランシスコに住むインド系アメリカ人だった。
去年の9月11日について話す。
息子はニューヨークでオペラをやっているという。
彼自身は最近インテルを出て、独立してやっているそうだ。
彼はかなりの音楽好きだった。
眠る。
起きてからタクシーでホテルへ。会社の近くのホテルに荷物を落とし、出社。
午後から本格的な会議。
六時過ぎまでやってから、現場へ行く。会場を事前チェック。
ベジタリアンの地中海料理を食べる。
帰ると23時。
リエは面接があった。うまくいった模様。
俺は一人で飲み歩く。
8時に出社。シンガポール本社でまだ残っている自分の個室からメールに返事を書
く。油断するとすぐ千通を超えてしまう。
現場視察。
レストランなど増えている。
Dと食事。
14:00から、会議。
英国人の上級副社長を含め、面子を多々集める。
18:00まで続く。
11月14日(木)
6時起床。
6時半にはチェックアウトしてチャンギに向かう。
本屋でシンガポールとマレーシアの現代作家短編集と東南アジアを舞台にしたモーム
の短編集を二冊、合計三冊のペーパーバックを買う。
朝8:30の便で香港へ向かう。
西田俊之が主演の、VHS開発の映画を機内で見た。JVCがお金を出しているのだろう
か。お涙頂戴映画だとはわかっていながら、泣いてしまう。
夜、リエと招待されたハッピー・バレーのピアノ・バーのオープンに駆けつける。
アシストしてくれてる香港人女性Kの母親が開いた店だ。
母親と話した。彼女、1970年に歌手として来日して万博で歌ったという。ちあきなお
みの「喝采」を覚えたら褒美をやると日本のおじさんに言われて本気で覚えて歌った
ところ、大喝采されて、着物を買ってもらった。そんなエピソードを語ってくれた。
リエが初出社なので彼女に付き合って一緒に世界一長いエスカレーターを降りて中環
のフェリー・ターミナルからスターフェリーで九龍半島に向かった。
彼女は某ホテル内のアート・ギャラリーに勤務し始めた。
シンガポールではラッフルズ・ホテルのギャラリーだった。
休日に出社。
読書。サマセット・モームの南国もの短編集だ。珍しく、わからない単語は飛ばさな
いでGEMで引きながら割りと精読してみた。アメリカの小説は語彙が簡単だから辞書
もいらないけど、イギリス英語は色々語彙が豊富なのでじっくり味わうと楽しい。
よく僕の母がモームを新潮文庫で読んでいたのを思い出す。緑のカバーだった。
この「手紙」という短編は旨いもんだと思う。
舞台が今年前半まで住んでいたシンガポールなので、状況や雰囲気や空気がわかって
いるだけに、彼の言葉の喚起力に驚く。場面展開も鮮やか。
アントニー・バージェスは特にモームの長編をぼろくそに言っていたが、やはり短編
は光っている。近頃はとんと涼しくなった香港で読んでいるのに、シンガポールの熱
気に身を包まれた。
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