リエは画廊の招待状のデッドラインが近いので珍しく早朝に出勤した。
僕のほうは、またまた問題が噴出しいてるが、それを片付けながら、ずっとパワー・
ポイント・プレゼンテーションを作っていた。プリントして午後にミーティング。番
組のアイディアは気に入られ、しかし、東南アジア局だけでなく、台湾と香港とシン
ガポールをカバーする中国語圏での同じ番組の放映を考えて欲しいと言われる。
まず、北アジア総局のCと話し合い、プレゼンテーションを書き換えてプリントし、
明日に備えた。
夜、台北にある姉妹局の社長と局長(そうだ、この二人とは社長が交通事故で入院し
たとき台北の病院で一緒だった)と急遽立ち上げる番組の内容と予算を話す。なんと
かなりそうだ。
噴出する問題は先が見えない。
リエが画廊の仕事がはねて帰りに僕のオフィス方面に来る。
ジェイド・ガーデンで中華を食べる。旨い。が、満腹で残し、包んでもらう。僕の明
日の昼食となるだろう。
リエは昨日までこの世の終わり、みたいだったのだが、招待状の印刷がうまくいき、
デザイナーらと招待状の素材やデザインなどを選ぶ作業が非常に楽しかったようで、
ご機嫌だ。
08:30にセントラルでミーティング。口頭で成約。
書類を調えて広告代理店と打ち合わせる。
昼は僕が昨晩の中華の残りを食べようとしていると秘書M嬢が「駄目、駄目、暖めな
きゃ」と言いながら皿に盛って電子レンジで暖めてくれる。こういうことはシンガ
ポールではなかった。感動する。
香港人はお節介で世話好きだと聞いていたが、その通り。
夜は知人のコンサートへ行く。
ミュージシャンらと演奏の後でテキーラ・ショット。
リエは非常に酔っ払い、家に戻ると手が付けられない状態になる。
これは片付けが大変だ。
リエは画廊に行く。
僕は家でだらだら過ごす。
エスカレーターを半分ほど降りたSOHO地区のスターバックスでフィンガー・サンド
イッチとコーヒーと更にリエはレモン・パイを食べていた。生き返る。
洗濯物をクリーニングに出し、部屋を片付ける。映画を見に行くが、リエが見たいと
いうハリーポッターの第二部はまだ上映されていなかった。パブで時間調整してから
「一時間写真」を見る。舞台はアメリカ地方都市のショッピングモールの中の一時間
で現像されるONE HOUR PHOTO屋の初老の店員が主人公である。彼の孤独が炙り出さ
れていく。余りに地味な話で、主演がロビン・ウィリアムズでなかったら、誰も見な
かったFILMだろう。フランス映画的である。これを作ろうと考えてロビン・ウィ
リアムズを引っ張り出してきたプロデューサーは偉い。点数的には○(☆、◎、○、
△、×の五段階で)だが、目立たない孤独な人間に焦点を当てたことは大いに評価す
る。
シンガポールと定例テレビ会議。
来年1月24日にシンガポールで開催される一大イベントの記者会見が香港で開かれ
る。香港オフィスのスタッフはほとんど寝ないで仕事していた。
夕方、会場に出向く。アメリカのR&Bのスター、シャギーがやってきた。
打ち上げに、スタッフとロシア料理屋で飲む。
忙しく働く。
ずっと集中して働いて気づくと真夜中でフェリーも地下鉄も止まっていた。タクシー
で帰宅。ちょうどリエも接待などで遅く、タクシーは別々に同時に自宅前に到着し
た。
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