戸田光太郎の2000年日記

2000年4月5日

２０００年
４月５日（水）

早朝にリエに昨日が僕の誕生日だったことを伝える。
実は２月２１日に僕は結婚記念日を忘れたという罪悪感があったので、これは
黙って４月４日が過ぎることを願っていたのだった。アイコになるからである。
衝撃を受けるリエ。すぐ立ち直った。｢でも戸田チャンだって結婚記念日を１年目
から忘れたでしょ｣
うむむ。敵もシブトい。
朝食を１０階のラウンジでとる。
９時から中国系のＷさんの不動産屋から大勢迎えが来る。
担当の青年は明るく、よく働く。
｢この仕事、２４時間営業ですよ。休日でも携帯が鳴るしね｣と言って笑ってい
た。
オーチャード通りの裏手の物件は非常に広々としていて魅力だが、プールが古い
のと坂の上であることと、エレベーターがないことがマイナス。
物件を１２時過ぎまで見てから高島屋に行き、ベトナム料理を食べた。例のソフ
トな白い皮でミントの葉を入れて巻く春巻きが旨い。
二人の結論としてはビシャンのコンドである。もう一度見たいと思う。
部屋に戻って不動産屋に電話して明日物件を再確認したい、と頼んでおいた。
仮眠してからリトル･インディアに行く。
これは、まあ、驚いた。
この熱気、喧騒、人波、町並み、この香辛料の香り、インドそのものではない
か。
僕の死角でリエがインド人青年から尻を触られ、彼女が切れた。英語で啖呵を切
る。
カレーを食べ、ブギスまで歩き、野原でやっていた京劇を見る。中国オペラであ
る。観客は主に中国系の老人だ。全く意味はわからない。コスチュームを楽しみ
ながらビールを飲んだ。
パルコに寄って帰る。

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