戸田光太郎の2000年日記

2000年4月15日

２０００年
４月１５日（土）

リエに起こされると、８時半だ。宮本武蔵のお陰で４時間ちょいしか眠れなかっ
た。
中華街に行く。｢新世界｣でビールを飲んでヤムチャを食べた。
開高健の｢生物としての静物｣を読む。旨い。◎。参った。文章が上等だし、蘊蓄
は深いし、経験は広い。こんなに芳醇なものがサラサラと書けるなら羨ましい。
降参。脱帽。平伏。おっと、文体が似てしまった。
でも、良く考えてみると今までだって彼の本は小説もエッセイも何冊も読んでい
るのである。詰まらない物も多くあったのだ。が、こうした、晩年の、濃縮され
た物の力はやはり並大抵ではない。ほとんど最後の、作家、という人種の見本で
ある。
脱帽。
そして合掌。

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