戸田光太郎の2000年日記

2000年5月12日

２０００年
５月１２日（金）

機内では禁酒の反動で５０メートル･プール一杯分のビール、ワイン、ウィスキー
を飲んだ。
朝０７：４０にシンガポールのチャンギ国際空港に着いた時にはボロボロの二日
酔いとなった。
これは、やばい。
十年間の欧州生活で、休肝日はほとんど設けなかった。小児喘息が治ってからは
丈夫になった体を過信して飲み続けの人である。肝臓というものは下手に耐久力
があって、徐々に悪くなっていても自覚症状がなく、症状が表面化した時には、
もう使い物にならないほど荒廃している、というケースが多いと脅かされたこと
がある。
入国した直後に健康診断して、健康体でないとシンガポールの労働許可は取得で
きないのである。
ここまで努力して面接して２往復半してやってきたというのに、ここでドク
ター･ストップがかかれば、部屋も２年契約で借りてしまったし、どうすればいい
のか。わからない。
ジョギングと禁酒は、そのための付け焼き刃だったのだが、機内のただ酒に負け
た。
何て強い意志だ。
ホテルにチェックインしてから不動産屋の担当者に拾ってもらい、１５時にビ
シャンのコンドミニアムの引き渡しを終える。
家具が入っていた。
青々としたプールが見える居間には２８インチのソニーのテレビが入っていた。
その前に指摘しておいたミニマリスム的なクリーム
色の皮張りソファセットとガラスのテーブル。隅にはテーブルセット。
書斎には広い机と背もたれ付きの黒椅子と本棚が入っていた。これは嬉しい。物
書きにも集中できそうだ。
１７時に新会社に顔を出した。
健康診断用紙などをもらい、手続きを終了する。
ロンドンでリエが寂しがっているだろうから、できたら毎日送ろうと絵葉書と
切ってを纏め買いしておいた。
突然眠くなり、また、はたと夜１２時に目覚め、そこから先は寝れず。こんな生
活は体に悪いだろう。

---

＜表紙に戻る＞

＜2000年日記トップページに戻る＞