戸田光太郎の2000年日記

2000年7月12日

２０００年
７月１２日（火）

夕方、リエと待ち合わせ、オーチャードの｢ローリーズ｣でカルフォルニア･ワイン
にステーキを食べる。日本に住んでいた頃、勤務先の某米資系食品会社の本社が
あったロサンゼルスに出張した時、｢ローリーズ｣の本店に行ったのが、もう
１９８８年のことだから、１２年ぶりである。
内装もステーキ焼き機具も本社と同じで愉快だった。
リエは昼に有閑マダムのようにインドネシア系エステに行っていたという。イン
ドネシア人の美人姉妹が経営していて、姉妹が実際にマッサージなどをするのだ
という。
二人とも４０代なのに美しいというから説得力も出る。
男子禁制のエステで、全裸でうつ伏せているところを姉妹が指圧するのだそうだ
が、二人が左右の耳元で交互に｢オエッ｣｢オエッ｣とモドすような声を出すのでリ
エは怯えて、（この人たちは姉妹で飲み明かして二日酔いなのかしら）と考えた
という。まあ、そうだろう。
ことろが、この｢オエッ｣｢オエッ｣はいつまでも続き、時に、｢オエッ、オエッ、ゲ
フッ、ゲフッ｣みたいな、小間物屋開店間近か、というような雰囲気になったそう
で、ところが、やがて、姉妹の片方が、｢あなたの『悪い気（風＝ウィンド）』は
全て吐き出したから｣と平然と言ってのけて｢オエッ｣は止んだという。毒素をリエ

の体から吸い出していたのである。嘘か誠か。
このマッサージと牛乳風呂を交互にして３時間、リエは｢肌がしっとりしたの｣と
はしゃいでいる。｢人生最良の日って感じ｣と、いたく御満悦である。
彼女が歓べば僕も嬉しい。
が、羨ましい。
男子禁制というのは悲しい。
僕も牛乳風呂に入ってインドネシア人の美人姉妹に｢オエッ、オエッ、ゲフッ、ゲ
フッ｣されてみたい。

---

＜表紙に戻る＞

＜2000年日記トップページに戻る＞