戸田光太郎の2000年日記
- 2000年10月6日〜8日
2000年
10月6日(金)
- 朝7時に成田到着。
ホテルに立ち寄り、出社は11時。
色々と問題解決。
10月7日(土)
神保町に出て中国語の教材などを購入する。
明日、米資系食品会社時代の同僚Aがオークラで結婚するのだが、僕は2次会の
司会と元同僚Hとパフォーマンスを頼まれている。司会進行はEメールでAとや
りとりしているからぶっつけでいいのだが、演奏するなら練習は必要だ。組んで
いバンドでAはベース、Hはギター、僕は下手なキーボードとボーカルだった。
早稲田の近くにあるHの家で練習する約束である。
Hと恋人のMちゃんはインテリア雑誌にもよく登場するモダンなマンションに住
んでいた。ファサードが木枠のようになっていて本体は故意にカフカの悪夢的に
歪めたコンクリート打ちっぱなしの作りで、裏手の竹林が涼しげだ。彼女の見立
てだという。美術、書道、茶道というような本があるのも彼女ではない。Hの生
活も刺激を受けてることだろう。
さて、やはり生ギターにデュオとなれば、エバリー・ブラザーズにトドメをさ
す。二人とも1980年代初頭にFMで山下達郎と大滝永一がエバリーを歌った
放送を覚えていて、「All I have to do is dream」に決めた。バイ・バイ・ラブ
を歌うのは不謹慎だし。
Mちゃんが新宿に買い物に出て戻ってくる頃には曲は完成した。
二人でハモッてみせる。
Mちゃんは言った。「本番でもそのくらいできるなら、結構いいわよ」
実は本人達も結構気持ち良くハモっていたのだ。
10月8日(日)
朝11時にはオークラへ行く。
披露宴は心温まる進行だった。
特に上海から駆け付けたOさんのスピーチが良かった。
Oさんは調査会社の代表取締り女性社長だが、元々は新郎Aが米資系食品会社時
代に雇った女子大生アルバイトだった。僕もOさんを引き継いだから彼女がピン
クのミニの制服を着ていた時代を知るわけなのだが、その彼女が次の瞬間、いき
なり洗練された女性社長として上海にいるというのだから、驚きだ。
自分の会社を設立するまで調査会社に10年間勤務していたというのだから、ま
た驚いたが、考えてみると、ほとんど20年に近いブランクがある。こっちも
10年ほどヨーロッパで生活していた。このボソッと抜け落ちた時間の感覚が、
僕には物凄い衝撃だった。
つまり、人間には等しく時が通りすぎて行くのだ、という当たり前の事実である
が。
この上海Oさんの調査会社時代の部下が今回Aの嫁さんとなるとなる16歳下の
女性で、Oさんはマッチ・メーカーだった。
披露宴の後で、二次会の司会で新婦側をフォローする和服美女Tさんと喫茶店で
打ち合わせするが、このTさんのテンポが早くて、新人類だなあ、と僕は驚い
た。16歳下なのは事実だが。
と、上海のOさんが笑って言っていた。「コータローでもそんなこと思うの?
意外だなあ。そんなこと言ってるけど、昔のコータローは、あんな感じだった
よ」
「あんなに飛ばしてた?」また驚きだ。「若かったってことか」
「大人になったよね」
「そっちだってレディーになったじゃねえか」
二次会の司会をT嬢と進め、Hと歌になる。
上手くいった、と思う。
数人に誉められ、Hの恋人Mちゃんに誉められる。「本番が一番良かったよ!」
3次会は六本木のカラオケだったが、16歳下の新婦側と16歳上の新郎側の歌
にジェネレーション・ギャップがあって噛み合わない。
はっきり言って、16歳下の男の子や女の子は歌が複雑になっているのにも関わ
らず自分のものにしているし、ハモりも上手。
新郎側はすごすごと帰途についた。
六本木を歩く我々の肩が下がっている。
(若い奴らにはかなわないなあ)と皆、打ちひしがれたのだ。
昔、20年ほど前に、我々が若いサラリーマンとして少年隊の「仮面舞踏会」を
ハモって歌って踊っていると先輩方が苦々しい顔をしていて、(もっと楽しそう
なツラをしろ、糞じじい)と思ったものだが、立場は逆転していた。
自分はいつまでも若いと思っていたが、大いなる錯覚だった。
時は等しく人々の上を通りすぎて行く。20年後に今日はしゃいでいた16歳下
の連中は若い世代のパワーを前にして肩を落とすだろう。
糞、俺は負けない。と思った。何に対して、どう負けないのかはわからなかった
が。
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